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サロン・ハウリン第18回レポート

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レポート 弁護士 菅野典浩

サロンハウリン第18回のゲストは、漢方医学専門医で「芝大門 いまづクリニック」院長の今津嘉宏先生です。今津先生は島弁護士と高校時代の同級生で、島弁護士が9年前にがんを患ったときに力を貸してくれた方でもあります。
今津先生は、藤田保健衛生大学(現・藤田医科大学)医学部を卒業後、慶應義塾大学医学部の外科学教室で消化器のがん治療に携わるなど外科医として研鑽を積んでいた時、手術で治らないのに漢方薬では治せるという経験をしたことから興味をもち、外科医でありながら大学で改めて漢方の勉強をされました。
「漢方」とは、中国から伝来して日本固有の風土と人に合わせて発展した医学であり、江戸中期頃にオランダから伝わった西洋医学に対して、「漢方」と呼ぶようになりました。ただ、明治政府が医師免許制を導入した際、「漢方」は「医学」に分類しなかったため、民間医療の一つとして扱われるようになってしまったそうです。
しかし、近年、漢方薬の特性の科学的解明が進み、エビデンスに裏付けされるようになり、医療の現場でも漢方が用いられることが増えています。
今津先生はこれまでの経験を踏まえ、漢方の知識を得たことで、西洋医学で見落とされている部分を含めて医師として全体を見ることができるようになったとお話しされていました。他方で、西洋医学の理解がない漢方医では、例えば、漢方の処方によってガンが小さくなるのか、ガンは変わらないが症状が治まるのかといった原因まで患者に説明できないことから、西洋医学と懸け橋になるはずの漢方が、かえって橋を落として混乱させてしまっているという問題点を指摘され、西洋医学と東洋医学の融合の難しさを痛感されているようでした。
また、近年政府が取り組んでいるかかりつけ医制度についても、都会では対応すべき知識が多すぎてうまくいっていないが、漢方を学ぶことで専門分野以外の広い領域にわたる医学的知識を持ち、ファーストエイド(初期治療)ができるようになれば、セカンドエイドとしての専門医につなぐことができるので、現代の医療制度との関係でも、漢方を学ぶことには十分な意義があるということです。
新型コロナに対する対応について、今津先生によると、初期段階では政府の情報収集もうまく行っていたが、医師側が情報のコントロールができていなかったために混乱を招いてしまったとの感染症対策の難しさを指摘しつつ、体温を上げておくだけで免疫力が高くなることから、予防医学としての漢方の有用性があることを指摘されていました。
第1部の最後に、西洋医学と東洋医学の両方に精通されている今津先生の立場から、日本の医療制度について、日本の国民保険制度は全国民が医療を受けることができるよくできた制度ではあるが、病気にならないと使えないので、漢方だけでなく健康診断などの予防的な医学にも対象を広げることで、より良くなると思うとの提言をいただきました。

第2部は、新型コロナといった参加者の関心のある病気と「漢方」の有用性などについても話が広がりました。
 新型コロナのワクチンと後遺症に関する質問について、今津先生によると、5年、10年後に検証、評価しないとわからないが、最近、新型コロナに感染した小児の死亡例が急増したため、先生が所属する港区の医師会で検証したところ、ワクチン未接種の子供は発症7日後でもコロナウィルスを排出していたが、3回接種した子供は排出していなかったので、ワクチンの効果はあると考えられるそうです。
 ただ、日本もマスクを外す生活になり、無症状の陽性者などから飛散されたウイルスにさらされるようになるため、今後は自分の生活スタイルに合わせてワクチンを打つ、マスクをしてソーシャルディスタンスを取るといった感染対策を取っていく必要があります。
この点、島弁護士も、現代は、これまでよりも人が野生動物と触れるようになったり、世界中の人の往来を止めることができない以上、今後も感染症が広がることは十分にあり得るから、個人も政府も、新型コロナの感染で学んだことを整理して、次に生かすことをしなければならないと指摘していました。
ちなみに、今津先生によると、新型コロナのワクチンは統計的に副反応が60%も出る特殊なワクチンですが、ロキソニンをワクチン接種2時間前に2錠摂取して、接種後1時間以内に2錠、4時間後に2錠摂取すると、体内の「炎症」が抑えられるので副反応はほとんど出ないはず、とのことです。
また、女性の参加者からの質問に対し、今津先生は、女性は季節やホルモンの変化によって体質が変わり、症状の出方も変わるので、特に自分のことをわかってくれているかかりつけ医を作ることが大事であるとアドバイスされていました。
今津先生によると、近所にいてすぐに薬を出してくれる医者、緊急時に入院できるような医者、ちゃんと話を聞いて全体を見てくれる医者の3人を持つべきであると力説されていました。
最後に、今津先生は、膨大な漢方理論や難解な専門用語をうまく「翻訳」して、わかりやすく患者さんに伝えるのも仕事とお話しされていましたが、先生のお話しは非常に理論的で分かりやすいだけでなく、「病気」ではなく「人」を診ているという先生の温かさが伝わってくるようなサロンであったことが、非常に印象に残りました。