2016/07/19
5月15日、沖縄に事務所の研修旅行に行ってきました。
弁護士、事務局、総勢7人。目的地は、泡瀬干潟、辺野古、やんばるの森です。
金曜日、夕方那覇に入りますと、まずは酒盛り、いや作戦会議。フーチャンプルーなどつまんで、泡盛を。翌朝 は、眠いけれど7時出発、泡瀬干潟へ。長靴持参で準備万端です。
干潮の泡瀬干潟をそっと歩くと、温かな水に藻が揺れて、小さなヤドカリやいろんな種類の貝がいっぱい暮らしていることがよくわかります。干潟の生き物を目当てに、渡り鳥もたくさんやってくる。
企業や観光を誘致するという目的でこの泡瀬干潟を埋め立てようとする行政の計画に対して、住民らは公金支出差止訴訟を提起して争っています。平成21年に、経済的合理性がない、という理由で埋立ての差止めを命じる判決が確定しました。しかし、沖縄市が新たな計画を立てたため、その後再度訴訟が起こされ、一審では住民側の請求が棄却されています。干潟や藻場は珍しい生き物の宝庫であるとともに、生活排水などを浄化して、きれいな海を保つために欠かせない存在なのですね。わざわざ埋め立てて、人工のリゾートにしてしまう、そんな方向はやはり間違っているよな、ときらきら光る水の中に立っていると思います。
さて、潮も満ち始める時刻となり、北上、辺野古へ向かいます。途中、宜野座村のやかそばにて、昼食。ううう、たまらないですね。プルプル軟骨ののったやかそば、島の食堂。
辺野古の海は、グラスボートを用意してくださる方がいて、それはそれは絶好のお天気の下、海をびゅんびゅん飛ばしました。巨大な珊瑚礁を覗きこみ、ジュゴンに出会わないかと目を凝らし(会えませんでしたが)、最高! なのですが、海にはロープとブイで立入禁止区域が示され、船が近づくだけで、警告されてしまいます。こんなに美しい海、ああもう、ジュゴンはどこで海草を食べることになるのだ。
陸に上がって、ワタクシはちょこっと水着で寝そべり、日焼けなどして…。
2日目最後の目的地は、ちゅら海水族館。ジンベイザメやらマンタやら、迫力ある巨大な姿に圧倒されます。貴重な干潟やジュゴンの海は埋め立てられようとして、ジンベイザメは水族館で悠然と泳ぐ、というのはなんとも皮肉なことです。
夜は、海辺のホテルで酒盛り、いや作戦会議。ラフテーなどつまんで、北部の泡盛、「珊瑚礁」の古酒がしみじみうまい。
3日目、ホテル前の白いビーチを横目に(次回はここでのんびり過ごそう)、やること満載の旅は続くのです。さらに北上して、やんばるの森へ。運転手以外は、今日も目を皿のようにして、ヤンバルクイナに会いたい…。「ニワトリぐらいですかね」「いやあ、もっともっと。恐竜だもん」という車内の会話にドキドキしつつも、しかしなかなか会えるものではないですな。
濃く、厚い緑が続くやんばるの森は、伐採や林道建設、さらにはヘリパッド建設で痛めつけられていて、今も高江では反対運動としての座り込みが続いています。
そうそう、3日目の腹ごしらえは、波止場食堂。いやあ、これは、なんともなんとも。スモール&コージーな海辺の食堂なのに、沖縄そばも、カツ丼も、ポーク玉子定食も、凄まじいボリュームでしたわ。おばちゃん、ひとりでありがとう。
駆け足でしたが、沖縄研修、美しく、楽しく、おいしく、だからこそ、環境保全の闘いは重要と実感する旅でした。次はいつ行きましょうかね。
(寺田伸子)