2017/11/16
6月30日(金)~7月2日(日)、事務所の弁護士、事務員で、長崎県に事務所旅行へ。目的地は、ダム建設予定地の石木川のある長崎県川原(こうばる)地区と開門確定判決が出ながらも開門が実現していない諫早湾。環境問題の現場を実際に目で見てきました。
7月1日(土)
長崎県川棚町川原地区に入ると、すぐにダム建設反対の看板が。
石木ダムの問題は1960年代から始まり、代々地元住民が抗議して、川原の自然や生態系を守っているとのこと。
反対運動の事務所。
住民13世帯(約60人)、交代で24時間体制で監視しているようで、裁判に出席したくてもできない状況とのこと。頭が下がる思いです。
建設予定地に住む岩下和雄さん(1番右)の話を聞く。夏にはホタルも飛び交うようです。石木川は想像以上に細々としていました。
川原地区のシンボル、住民が立てたやぐら。「見ザル言わザル聞かザル」が描かれています。県や市からの甘い誘惑や脅しには一切応じないという住民の意思表示だそうです。
川原公民館で、たくさんの地元のみなさんが集まってくださいました。
みなさんから話をうかがった中で、司法に対する不信を感じるということを聞いたときは、耳が痛かったです。
反対運動の歌もあります。
「川原のうた」もあります。
最後に、地元のみなさんが、「川原のうた」と「石木ダム絶対反対の唄」を歌ってくださいました。「川原のうた」は、きれいな歌声が川原のきれいな自然を連想させる素敵な歌でした。
その後、ダム建設により水没してしまう場所へ。田植えも終わって、棚田がきれいです。
2016年10月、著名人が水没予定地で、野外ライブが行われたようです。反対運動が広がっています。
石木ダムでは、現在、2つの訴訟が進行しています。
そのうち、石木ダム事業認定取消訴訟の口頭弁論期日が11月1日に行なわれ、そこで、県の職員や市の職員、水環境工学の教授の証人尋問の実施が決定したようです。
また、石木ダム工事差止訴訟も進行中です。
地元住民のみなさんや弁護団のみなさんに敬意を表しつつ、石木ダムの現状を広めるなど自分にできることからやっていくしかないと感じました。
(弁護士 片口 浩子)