2023/11/27
アーカイブ(アーライツ法律事務所チャンネル)はこちら
https://youtube.com/live/XWUJxjmgDak?feature=share
レポート 弁護士 寺田伸子
今回のサロン・ハウリンが開催された11月11日は、島昭宏弁護士の誕生日、そしていつもサロンを開いている銀座の[cafe garage Howlin’]の開店記念日(今年で3周年)でもあります。というわけで、今回は番外編として、いつもは聞き手である島昭宏弁護士をゲストに、音楽ライターの遠藤妙子さんがインタビューしてくれました。
島さんは”the JUMPS”と”島キクジロウ& No Nukes Rights”(以下「NNR」)という2つのバンドのボーカル、ギター、主な作詞作曲を務めるフロントマンでもあります。小学校のころは反戦フォーク、特に岡林信康、中学生でビートルズに出会った、という島さん、年齢よりはちょっと上の世代の音楽を聴いていたのかな。そして高校生でザ・クラッシュという英国のバンドとパンクロックに「破壊的」というまでの衝撃を受けます。それで、島さん自身も、「世界をひっくり返す道具としてはロックが一番しっくりくると思った。あ、世界をひっくり返すっていうのは、環境問題を切り口に価値観の転換を実現するってことね」。島さんは、環境汚染については「このままでは未来がない、と夜眠れなくなるくらい」だったナイーブな少年だったのです。それにしても、思春期での音楽体験が、現在の、弁護士活動にもまっすぐ繋がっていて、いわば「ブレない」ってのは、凄いことではありますね。
さて、島さんが大学生のときに始めた”JUST A BEAT SHOW“という音楽イベントでは、エコーズ、ザ・ストリート・スライダーズ、ザ・ブルーハーツなど名だたる多くのバンドと「対バン」(共演)して、「真実はストリートにある!」との叫びをライブハウスから発信し続けていました。が、そこに転機が訪れて…。そのあたりは、アーカイブでぜひ。
ところで、遠藤さんはJUMPSの初期から島さんのバンドをご存知でしたが、長い時間が経って、脱原発の国会前行動で見守り弁護団を務めていた弁護士の島さんに再会してびっくり。で、第一部後半は、弁護士として関わる問題について、遠藤さんが迫ります。
ザ・フールズというバンドの伊藤耕さんが獄中死し、刑務所内で適切な処置がなされなかったことを理由に遺族が損害賠償を請求した事件で、代理人弁護士を務めた島さん。その和解の経緯、意義について説明しています。また、島さんは、脱原発では「原子力の恐怖から免れて生きる権利」(=ノー・ニュークス・ライツ)を、動物愛護の関係では「動物共生権」を、新しい人権として認めるべきと考え、訴訟をはじめとするさまざまな活動を行っています。特に「動物共生権」とはどのような考え方なのか、昨今極めて注目を集める分野でもあります。ぜひこちらもアーカイブで。
第二部では、これまで20回を重ねたサロン・ハウリンの手ごたえ、というか、感想も聴きました。もともとは斉藤幸平さんの『人新世の「資本論」』に刺激を受け、「社会的共通資本(コモンズ)を増やしていくために具体的に何をすれば一歩を踏み出せるのか」を探るために始めたサロン・ハウリン。「やっぱり現場を持っている人の話は素晴らしく、とても有意義だと感じた。政治家の話もおもしろいし、いろんな本音が聴けたけど、20年後、30年後のグランドデザインを語ってくれていない気がする。もう少し深く話を聴くために、2度目の登壇もお願いしようと思う」とのこと。確かに、近い将来の姿が思い描けないと、いいか悪いか判断できないですね。今後のサロン・ハウリンに期待します。いや、期待してください。
そういえば、[Howlin’]で、島さんとギタリストのCrossさんが続けているライブセッションはもう33回を数えるそう。「この場所がオレにとってのミュージシャンと弁護士の接点。アニマルウェルフェアやビーガンに配慮したメニューもあるし、社会への発信をしていきたい」とのこと。宣伝めいていますが、法律事務所に、こんな第二の拠点があるっていうのは、なかなかいい作戦だと思っています。また近々ここでお会いしましょう。