2017/11/16
7月2日(日)
翌日は、諫早湾の視察。
まずは有明海に面する竹崎城址展望台へ。
海の右側の色が濃くなっているのは、赤潮です。諫早湾干拓事業により、有明海では赤潮の発生が増えたとのことです。
諫早の漁師さんに話を聞きました。
諫早湾干拓事業以降、今でも漁業被害が出ているということです。
福岡高裁確定判決の排水門の開門に基づき、漁業者は、国に対して強制執行(間接強制)を申立て、2015年、国に1日45万円(1人につき1日あたり1万円)の制裁金を支払うことを命じる決定が確定しています(なお、現在は、1日90万円に増額(1人につき1日あたり2万円)。驚いたのが、これに対し、国税庁が、漁業者の個人所得として、所得税を課したということでした。開門を命じる判決に反しているのは国で、その国に対する制裁金なのに、国はそこから税金まで取っているなんて。
そして、いよいよ諫早湾の潮受け堤防へ。
こっちが潮受け堤防と諫早湾側の写真。
こっちが、潮受け堤防の反対側と干拓地側(調整池)の写真。
調整池のアップ。調整池の色は緑。原因は有害なアオコとのことです。においもカビ臭い。
右から3番目が7月1日、2日と案内してくださった時津良治さん。
干拓地へ行ってみると、農地になっているところもあるものの、そうなっていないところも多々あります。国はこの干拓事業に莫大なお金を出しています。
2泊3日という短い旅行でしたが、静かに謙虚に生活する地元の方たち、そのような方々の生活が公共事業により奪われている(奪われそうになっている)現実を目の当たりにしました。私自身、そういう人たちの力になっていきたいと改めて感じる旅行になりました。
お忙しい中、お付き合いいただいたみなさま、ありがとうございました!
(弁護士 片口 浩子)