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レポート 弁護士 吉田理人

第20回サロンハウリンでは、「新しい時代への食の役割」として、食の安全の問題に取り組む、食政策センタービジョン21の主宰者である安田節子さんをお迎えしました。
食の安全は、私たちの健康に直結する問題です。しかし、私たちが何も知らされずに食べている食品が、実は、健康リスクの高いものである可能性があります。
安田さんは、現在の日本は食の安全について、先進国だと思っているかもしれないが、劣等国になっていると断言します。知らず知らずのうちに、私たちの健康が脅かされているかもしれない食の問題。自分や家族の健康のためにも、心配な方は一度動画を見ることをお勧めします。

安田さんは、日本消費者連盟に勤め、食品添加物や農薬、遺伝子組み換え食品の問題など食料問題に取り組むようになり、その後、日本消費者連盟を退職し、現在の食政策センタービジョン21を設立します。

安田さんのお話は、まず昔から問題とされる農薬の問題から話が始まります。

現在、大きな問題となっている農薬が、グリホサートとネオニコチノイド。
グリホサートは、除草剤で、アメリカやカナダなどで小麦の収穫前に、収穫作業の効率を上げるために大量に散布されています。
グリホサートは発がん性が疑われており、アメリカでは、製造メーカーに対して10万人以上が訴えを起こしています。
国際的には、グリホサートの使用を制限する方向に規制が進んでいるにもかかわらず、日本は、輸出国側の事情に配慮し、規制を緩和しており、スーパー等で売られている外国産小麦を使用した食パンからは、ほぼグリホサート成分が検出されているといいます。

一方、ネオニコチノイドは殺虫剤で、カメムシ被害を防ぐ目的などで使われています。ネオニコチノイドについては、神経毒性があり、ネオニコチノイドが散布された畑の周辺のミツバチが、巣に帰れなくなるなどの被害が報告されています。
人の胎児に対する健康被害が懸念されており、EUではネオニコチノイド系農薬の使用は禁止され、輸入食品に対しても厳しい規制がかけられています。これに対して日本ではネオニコチノイド系農薬の使用について規制が緩いため、広く使用され、日本産の茶葉などはEUに輸出しようとしても、ネオニコチノイドの残留濃度が高いため、EUに輸出できないという事態が生じているとのことです。
安田さんは、ネオニコチノイド系の農薬などは、日本、韓国で使用量が多いが、日本、韓国は発達障害や自閉症の発症率が高い。これらの障害の発症率と農薬の使用量に関係があるのではないかと話されていました。

農薬の次は、遺伝子組み換え食品について。日本では、遺伝子組み換えの農作物の栽培はされていないとのことですが、アメリカから輸入される大豆、トウモロコシなどは、遺伝子組み換えのものが多いといいます。
グリホサートの場合と同様、日本の食料自給率の低さが、輸出国側の意向にしたがって、国が緩い規制にして受け入れてしまうという問題を生じさせています。
遺伝子組み換え食品については、遺伝子組み換えの作物を餌にしていた家畜が死んだという報告や、子供を産まなくなったが、餌を遺伝子組み換えではないものに戻したら、また産むようになったという報告があり、発がん性や生殖機能への障害などが懸念されているといいます。
安田さんは、食品については生命・身体に対する被害に直結する可能性がある以上、予防原則(安全性について懸念があれば、被害の発生について因果関係が完全には解明されていなくとも、使用や販売を規制して被害の発生を未然に防ぐべきとの考え)に基づいて行動することを基本とすべきであり、家畜について健康被害等がある以上、遺伝子組み換え植物を規制すべきとおっしゃられていました。

さらに、最近の技術として、ゲノム編集の食品が生産され始めているとのことです。ゲノム編集は、遺伝子の一部を壊し、従来なかった特性を持つ植物や動物を生み出す技術とのことです。
現在の日本では、遺伝子の欠落自体は、自然界でも起こる事象だという理屈で、安全性評価や表示も必要ないとして、野放し状態になっています。ゲノム編集して、肉厚になった真鯛やGABAというアミノ酸が多く含まれるトマトなどが生産されているとのことです。
安田さんは、ゲノム編集された食品は奇形の一種であり、このような食品を摂取することによって、将来、健康被害も起こりうるものであり、安全性の検証もなく、生産されることを危惧していました。やはり、ゲノム編集食品についても、予防原則によって行動するべきであり、安易に流通、販売を許すべきではないとおっしゃられていました。

第1部で、食の安全に関する現在の問題状況の概観を知ることができました。
第2部では、参加者と一緒に議論を深めます。島弁護士から、最近の不妊治療の増加について、食品の影響で不妊が増えているのではないかと指摘すると、安田さんもその可能性は十分に考えられるとうなずかれていました。
参加者から、食の安全に関連して、学校給食に地元産の有機食品を使用するという自治体が増えているとの報告があり、有機農法を広める呼び水になると期待されていました。さらに、家庭で大量の殺虫剤が使われていることについて、なぜ今の人たちは虫をそんなに嫌うのかということにまで話が及びました。
食の安全という身近な問題だけに、参加者との議論はとても盛り上がりました。

食の安全については、私たちが毎日口にするものでありながら、その実態がわかりにくいと感じます。その原因は、国があえて危険性がわからないように表示規制をしているということもあります。我々消費者が自ら情報を獲得し、安全な製品を選択する努力をすることが重要で、一人一人の意識の変化が国の規制の在り方も変えていくと感じました。
私も、安田さんの話を聞いた後、スーパーで安く売られている食パンのパッケージを確認してみました。そこには、「小麦粉(国内製造)」と書かれていました。
国内で製造されているのであれば、国産なのかと思いきや、調べてみると、国内で「製粉」されたという意味であり、原料の小麦粉自体は国産とは限らず、外国産のものが含まれているということでした。消費者が、わかりにくい表示に惑わされず、きちんとした情報を得て、情報を読み解く力を持つということの重要性を自覚しました。