コラム一覧

2024/03/18
サロン・ハウリン第24回レポート
2024/03/04
サロン・ハウリン第23回レポート
2024/02/06
サロン・ハウリン第22回レポート
2023/12/14
サロン・ハウリン第21回レポート
2023/11/27
サロン・ハウリン番外編レポート
2023/10/31
サロン・ハウリン第20回レポート
2023/09/20
サロン・ハウリン第19回レポート
2023/08/21
サロン・ハウリン第18回レポート
2023/07/18
サロン・ハウリン第17回レポート
2023/06/14
サロン・ハウリン第16回レポート
2023/05/31
サロン・ハウリン第15回レポート
2023/04/25
サロン・ハウリン第14回レポート
2023/03/22
サロン・ハウリン第13回レポート
2023/02/27
サロン・ハウリン第12回レポート
2023/01/23
サロン・ハウリン第11回レポート
2022/12/19
サロン・ハウリン第10回レポート
2022/12/08
事務所旅行 in 青森
2022/12/01
サロン・ハウリン第9回レポート
2022/10/28
サロン・ハウリン第8回レポート
2022/09/14
サロン・ハウリン第7回レポート
2022/08/24
サロン・ハウリン第6回レポート
2022/07/29
サロン・ハウリン第5回レポート
2022/06/15
サロン・ハウリン第4回レポート
2022/05/20
サロン・ハウリン第3回レポート
2022/04/18
サロン・ハウリン第2回レポート
2022/03/16
サロン・ハウリン第1回レポート
2022/01/31
馬毛島基地建設に向けた海上ボーリング調査差止事件と現地調査のご報告
2021/03/24
動物共生権
2019/07/18
福島会津まちづくり視察へ
2019/06/03
2018年11月の事務所旅行in 奄美大島
2019/05/16
憲法記念日にあたり東京YWCAの会報に寄稿させていただきました。今こそとことん議論せよ、憲法!
2018/11/09
広島 ピース・ワンコジャパンへ
2018/03/01
豊島・直島 視察
2018/01/31
~原発メー カー訴訟 最高裁へ~『脱原発東電株主運動ニュース』に掲載されました
2017/11/16
長崎 視察旅行②
2017/11/16
長崎 視察旅行①
2017/04/07
原発メーカー訴訟・控訴審に向けて
2017/03/24
北海道新聞2017年3月18日
2017/03/15
北海道新聞 2017年3月5日
2017/03/03
原子炉の欠陥
2016/09/14
風力発電の促進に向けて
2016/08/15
「みどりの遺言」プロジェクトはじまる
2016/07/25
長野県大町市訪問
2016/07/19
事務所研修 沖縄へ!
2016/04/01
ノー・ニュークス通信  2016年3月30日
2016/02/09
購買運動
2014/05/06
原発メーカー訴訟
サロン・ハウリン第15回レポート

2023/05/31

アーカイブ(アーライツ法律事務所チャンネル)はこちら
https://youtube.com/live/-QFe5qURYLA?feature=share

レポート 弁護士 寺田伸子

サロン・ハウリン第15回のゲストは佐分利応貴(さぶり・まさたか)さん。初めて直球で(?)、問題山積の日本経済に斬りこむ企画。佐分利さんは、実は島弁護士の高校の後輩で、京都大学経済学部を卒業後、当時の通産省に入り、現在は経済産業省大臣官房参事のほか、独立行政法人経済産業研究所、国際・広報ディレクター、研究コーディネーター(政策史担当)、上席研究員と、幅広く活動されています。

佐分利さんは、入省直後、湾岸戦争をきっかけに石油不足が懸念された時期に、資源エネルギー庁の石油関係の部署に配属になります。印象に残っているのは上司がメディアに「オイルタンクの絵を流せ」と要請していたこと。「タンクにオイルはある、安心してください」とメッセージを伝えてパニックを防ぐ、官僚のワザといったところでしょうか。当時、そして長い間、米国にとって日本はライバル、または対ソのパートナーでしたが、時代は変遷。島弁護士が「昔の日本は経済は一流だったのに、気づいたらボロボロ。それを整理していない。政治が議論せず、方針も示さないことが問題ではないか」と指摘すると、佐分利さんは「現状はむしろ官邸主義。役所のリーダーシップは難しくなった」と。高速道路を作ろう!などと単純な処方も効かず、志の熱はぬるくなり、「言われたことだけやっていればいい」官僚が増えた、とも。

佐分利さんは、安倍政権のいわゆる3本の矢によって株価は2倍に、失業率も下がった、「でも、世界のスピードよりは遅かった」と振り返ります。さらに、今の日本経済については、「悪い。よく回っていると不思議なほど。他国が4つのエンジンで飛んでいるのに、日本は1つしかエンジンがない」とバッサリ。使えていないエンジンとは、女性、高齢者、若者。いや~、ほんとそうですよね~。
とはいえ、ポジティブに考えると、この3つのエンジンを全開にしたならば、日本経済は「めちゃくちゃ変わる」。佐分利さんは、なんと「これから日本の時代が来る」とも言ってくれています。デジタル化のおかげで、緻密なデータが取れて、がんばった人が報われるのだと。また、日本の優れた品質が、情報技術革新により「勝手にボーダーレス化」して、世界の扉が開くのだとも。素晴らしい商品をECサイトで売ったら、海外から注文が来る、というようなことですね。島弁護士からは「目に見えない価値をどうやって計るか。他国に負けても、GDP上げなくても、幸せになれる、というグランドデザインが必要」と、別の視点からの展開もありました。

配信終了後の第二部では、原発の問題などにも触れつつ、若い世代から「ファッションの仕事で社会貢献したいが、出る杭は打たれる、という経験を重ねてきた。これが日本の成長を妨げているのでは?」との質問に、佐分利さんは「いま『教』はあるが、『育』がない。育てるためには見ることが大事。形を整えて、個別にちゃんと見ていない」と分析。「他のエンジンを動かすために具体的にはどうするか?」との質問(←ワタクシから)には、「難しい問題だけど、ムチでなく、アメが効く。ダイバーシティに配慮すると実際に株価が上がるとか、採用に若者の応募が増える、というのが効果的」と、答えてくれました。どのエンジンも「1個の成功事例を作る」ことで、ドラスティックに出力を上げる可能性があるとのこと。今回は、希望の光がほんのり見えるセッション。官僚にも精力的に仕事してもらいつつ、自分なりにその「1個」を獲得すべく、奮闘しようと思います。