コラム一覧

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憲法記念日にあたり東京YWCAの会報に寄稿させていただきました。今こそとことん議論せよ、憲法!
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~原発メー カー訴訟 最高裁へ~『脱原発東電株主運動ニュース』に掲載されました
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長崎 視察旅行②
2017/11/16
長崎 視察旅行①
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原発メーカー訴訟・控訴審に向けて
2017/03/24
北海道新聞2017年3月18日
2017/03/15
北海道新聞 2017年3月5日
2017/03/03
原子炉の欠陥
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風力発電の促進に向けて
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長野県大町市訪問
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事務所研修 沖縄へ!
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購買運動
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サロン・ハウリン第25回レポート

2024/05/08

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レポート 弁護士 吉田理人

サロンハウリン第25回のゲストは、ジャーナリストの青木美希さんです。青木さんは、第2回のサロンハウリンにもゲストで出演され、今回が2回目の出演です。
昨年11月、『なぜ日本は原発を止められないのか?』を出版され、話題となっており、サロンハウリン第2回の動画再生数も急増しています。
福島原発事故から13年が経過していますが、継続的に原発事故の取材を続けてきた青木さんに、原発やメディアの問題について詳しく話を聞きました。

青木さんは、大学時代から原発について調べはじめたとのことですが、大学卒業後、新聞社に入社し、これまで3社の新聞社に勤務し、その間もずっと原発については取材を続けています。
これまで取材を続けてきて、どうして原発がやめられないのかということがわかってきたが、そのことはほとんど報道されていないので、なぜ原発を止められないのかということをテーマに本を出さなければいけないと、いつも感じていたと言います。
原発については、あまりに誤解が多いといいます。日本人の多くは、お上がやっているから間違いない、専門家が言っているから正しいという意識がある。その誤解を解くためにも出版をしたとのことです。

ただ、出版に至るまでには多くの障害があったとのこと。出版までの苦労を話してくれました。
原発を止められない理由として、重要なことは、報道機関が原発の問題を正確に伝えていないことであり、なぜ伝えられないのかということを書きたかったが、以前、書こうとしたときには、書けなかった。今回は、原発に関する報道の問題について取り上げたが、出版するためには、勤務先会社からの抵抗があったとのことです。
最終的には、勤務先会社の名前は一切本には出さず、一ジャーナリストとして書くことによって、出版までこぎつけたが、会社からはよく思われていないとのこと。
最近では、各新聞社に所属する知り合いの記者からも、書きたい記事を書けない、平和やジェンダーに関する記事が書きづらくなっているといった声を聴くようになり、新聞社がネット上で攻撃を受けることを、とても怖がっているといいます。
新聞社の消極的な姿勢や、現在の社内での立場などをリアルに語っていただけました。

本の中でも、原発の問題について、ひとつずつ問題点を検証していますが、サロンハウリンでも核抑止力と原発の関係について、話が及びます。
核抑止力のために原発が必要と主張する人がいるが、そのような人物に対して、本当に国防のことを考えるのであれば、原発は攻撃対象になる可能性があり、そのような原発が日本海側に多数あることの方が問題ではないか。本当に核抑止力が必要というのであれば、研究用の原子炉が1基あればいいのではないかということを投げかけると、言葉に詰まるといいます。
青木さんは、一つ一つの問題をしっかり検証し、裏どりをしっかりした上で、推進派の人にも取材をし、質問をしているといいます。

結局、原発には大きな問題があるが、原発をやめるとなると、核廃棄物の問題を正面から考えなければならなくなるので、このままにしておいた方がいいと考える政治家が多い。このため原発がなくならない。
原発を止めるためには、しっかりとした首相を選ぶこと、そのためには選挙に行くことが重要で、国民に判断材料を提供するためにも、報道機関がしっかりとした情報を提供し、一般国民に関心を持ってもらうことが重要だと話し、第1部は終了しました。

第2部では、さらに新聞社の問題などについて突っ込んだ話が聞けました。

また、ロック歌手の清春と一緒にイベントに出演した話も聞けました。
イベントには、普段青木さんが出演するイベントではあまり見られないような、若い女性客がたくさんいて、そのような普段接することのない客の前で、原発の話をすることによって、新しい層に原発の問題に関心を持ってもらうことができたとのこと。さらに、清春さんも、自身が、原発の問題などに関して発言することによって、自分の後輩も、怖がらずにしゃべれるようになると、自身が原発問題などを扱うイベントで発言することの意味を話していたとのこと。
このようなイベントなどを通じて社会的関心が広がっていくといいですね。

新聞社が委縮し、調査報道なども縮小していく状況については、読者から声を上げて、いい記事を褒めたりしてほしい。そのことによって、新聞を市民の手に取り戻してほしいと青木さんは訴えます。新聞社に勤める青木さんだからこそ、新聞社の変化を感じ、現状に対して強い憤りを感じていることが伝わってきました。
なぜ、真摯に取材を続けるジャーナリストが、新聞社内で、まっとうな評価をされないのか。新聞社の現状に失望を感じますが、新聞社が新聞社としての価値を再認識し、立ち直るためにも、我々が外部から意見を伝えることも大切なのだと教えていただきました。

既に福島原発事故から13年が経っています。
青木さんの『なぜ日本は原発を止められないのか?』を読んでいると、事故の時に、テレビを見ながら、建屋が爆発する様子を目の当たりにし、放射能汚染に対して強い不安を覚えた当時の心情をリアルに思い出します。それとともに、時間の経過とともに、そのような当時の感情が薄れてしまい、原発のことを考える時間も減っていることに気づきます。
『なぜ日本は原発を止められないのか?』は、もう一度、原発がもたらす恐怖をリアルに感じ、原発の問題と向き合うためにも、とても良い本でした。